生まれる曜日は神様次第
あなたの誕生した曜日は?
シュン「チハルは生まれた日の曜日って知ってる?」
チハル「なに?トートツに…。水曜日だよ」
シュン「ふーん…」
シュン「…」
チハル「…」
チハル「何よ。早く言ってよ」
シュン「いや、やっぱり平日なのかなぁって。俺も金曜日だし…」
チハル「曜日占いだってあるんだから、神秘的な何かあるのよ」
シュン「本当に?僕が生まれた金曜日には意味があるの?」
生まれる曜日は神様が決める
チハル「運命よ。神様がその曜日に生まれさせたの。水曜日は乙女座でシュンの金曜日は天秤座。金曜日生まれは美男子なんだよ」
シュン「最後のはウソでも嬉しいけど、でも本当に曜日って、神様が決めているのかな」
チハル「疑うの?」
シュン「いやぁ、つまりさ、神様が生まれる曜日を決めているならさ、どの曜日でも生まれた人の数は大体は同じになるだろ」
チハル「うーん。もって生まれたその人の運命があるから、あなたは日曜日、あなたは火曜日ねって神様が決めているわけね。だから、もしかして曜日によって違いはあるだろうけど、同時に神様は平等だから大体同じ数にするはずよ」
シュン「その確信はどこから来るのかわからないけど(笑)…。だとすると、もし曜日によって生まれる数に違いがあったらどうする?」
チハル「そんなことないと思うよっ!」
シュン「うーん。じゃ、これ見てよ」
(シュンは電源が入れっぱなしにしてあったパソコンに向かって、何やら数字の羅列を確認し始めた)
生まれる曜日は人が決める?
シュン「厚生労働省のウェブから取ってきたデータがあるんだけどさ…これは曜日別の出生数グラフ。曜日によって生まれる人の数って変化しているでしょ」
チハル「それは多少は。ねぇ」
シュン「でもさ、その変化が偶然で起こるようなものじゃなかったらどうする?つまり、極端に曜日の出生数に偏りがあって同じようには生まれていない、神様が曜日を決めているんじゃないとしたら…」
チハル「すぐには信じられないなぁ…。じゃ、誰が決めているのよ」
シュン「えぇっと…。生まれた日の曜日って、人が決めてるんだなぁ…と」
チハル「そんなバカな!人が決められるわけないじゃない!証拠は?」
シュン「これは僕を信じてもらうしかないけど、統計的に計算するとそれが偶然なのかそうでないのかを検定することができるんだ」
(画面に向かってシュンは文字を打ち込み始めた。チハルには遠くてよく見えなかったが何か魔法の呪文のように思えた)
生まれる曜日は医者が決める?
シュン「統計の検定値は7011。これって、こういった曜日による出生数の違いが起こる確率が限りなく0%ってことなんだ」
チハル「どういうこと?」
シュン「つまり曜日によって出生数に違いがあるってことさ。神様が生まれる曜日を決めているんじゃなくって、他の要因が決めてるのさ」
チハル「その要因が人なの?」
シュン「そう、はっきり言えば医者、および医療関係者かな」
チハル「えぇ~。信じられない。それって本当に日本の話なの?」
シュン「ちょうど、そのデータもあるから計算してみようか…」
(パチパチとキーボードから小気味よく打たれる呪文のような記号や数字。チハルの興味はその占い師のような行為に向かい始めているようだった)
シュン「日本の有名人と海外の有名人の誕生した曜日を統計的に検定してみたけど同じ結論だね。ともに生まれる曜日に偏りがあるよ」
チハル「がっかり…生まれる曜日が人によって決められているなんて…」
シュン「まぁ、後はチハルが自分でインターネットとかで事実を知るしかないと思うけど…」
計算に使ったのは…
(分かってくれたかなぁと半分諦め気味にパソコンの電源を落とそうとするシュンをきらきらとした眼差しで見つめるチハルの姿があった)
チハル「ところで、さっきから計算しているソレ、なに?」
シュン「えっ、rpnだけど…知らない?これはね…」
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